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プロに任せるべきことから考える

 

 

器用であれば、大抵のことはこなせると思いがちです。しかし、そうはいかない一つが、万年筆のニブの調整です。それ以外では、機械式腕時計やアナログカメラのオーバーホールでしょうか。

万年筆のことなど何も分からない20代に父から得たモンブランを使って「へー」と思っていました。それから随分年月を経て、セーラーのプロフェッショナルギアをこれまた父から得て「凄い」と思ってから万年筆の素晴らしさを知りました。はっきり言ってモンブランの146は、プロフェッショナルギアの足元にも及びません(主観的ですからここは149じゃないからだとか突っ込まないでね)。

あれから何十年経っていますが、万年筆専用と言われるノートを変えて書き比べても評価は同じです。

中高生の頃に使っていたシャープペンやボールペンと比較すれば、万年筆の書き味は雲泥の差なのです。万年筆が「思考を言語化する面白さ」を教えてくれたと言っても過言では無いと思っています。それから今日までセーラーの虜です。

しかし、ペリカンのM1000に触手が・・。新品をやっと手に入れたものの、ペリカンは当たり外れが大きいと言われるだけあり、書き始めにスキップがあったのです(涙)。それ以外は、まるで蝋の上にペンを走らせているような滑らかさなのに・・。そこで頭に浮かんだのは「ペンクリニック」でした。ペンクリニックと言えば、長原氏です!広島出身の私としては、神の名です。
http://thenibshaper.com

セーラー万年筆を購入している限り、ペンクリニックなど不要でした。通販で購入しようが、ハズレは皆無でしたからね。セーラーはホント凄いと思います。因みに、ワタクシ、万年筆はセーラー、腕時計と掛時計・置き時計はSEIKOが最高と思ってます。笑

さて、素晴らしい滑らかさながらスキップのあったペリカンM1000が数日を経てThe nib shaperの長原幸夫氏から戻ってきましたので早速試筆してみました。プロに任せると言うことは、こういうことなのですね・・。器用だからでは真似などできない職人技を知ることは、実に清々しい気持ちにさせてくれます。

せっかくなのでと思って同時に購入した長原氏によるオリジナル・インクは、CROSSよりもセーラーの夜長よりもブラック寄りで「ああ、これこれ!」とつい口に出してしまう素敵な色でした!このインクは、セーラー万年筆にも入れなければ!と思ったのは言うまでもありません。

随分昔に、たまたま寄った東京駅から直ぐの大手書籍店でセールされていた万年筆とボールペンを「デルタって知らないなあ・・」と思いながらも素敵だからと思って購入したことがあります。リングの修理にイタリア送りになったのも懐かしい想い出ですが、数年前に廃業したニュースには驚きました。この万年筆の書き味は、銀座伊東屋のペンクリニックで調整してもらいましたが、今も素敵な書き味を維持しています。

長長々書いて、何が言いたいかって? そりゃあ「万年筆最高! The nib shaper 最高!」ですよ・・そして「青年よ、万年筆を持て。そして自分の考えを文字化せよ」かな!

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