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シナジー効果はキャッチボールから

シナジーとは、相乗効果と訳されるため、何だか良いことが倍以上で、しかも棚ぼたのような効果を期待してしまいがちです。この相乗効果を感じるのは、大学院ゼミや学部のゼミですが、最近では学部の演習でも強く感じます。

一対一で学生と話しているときに重視するのは、瞬間・瞬間のアイデアを出してみせることです。アイデアを実際に出してみせることでその思考プロセスの説明に意味を持たせることができます。具体的なアイデアを見せることもなく「こう考えた方が良いよ」で終わるのは、歳を経ればおおよそ誰でもできる話ですから。

瞬間・瞬間のアイデアとは、学生と話している時々の閃きです。つまり、ここで言う相乗効果とは、学生の発した言葉に閃き、具体例を示し考え方を話すことで学生が閃くことです。そして学生がその考え方を自ら拡張して行ける能力を獲得することです。

このリアルタイムな言葉のやり取りは、なぜ一人で考えるアイデアより面白いのでしょうか。それはキャッチボールに似ているからだと思います。キャッチボールの面白さは、少しズレたボールを取るところにあります。ちょっと手を伸ばしたり、時には少し飛び上がって取るから面白いのです。一寸とも違わず胸のど真ん中に毎回来るボールを取っても面白くはないでしょう。言葉のキャッチボールから発想ができるのは、そこにあると思っているのです。