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自分の考えを可視化し具現化する力

 

デザインを学んでいる人に限らず重要なのは、自分自身の「考え方」です。デザインに必要なのは、問題可決の「考え方」であり、それを「具現化する力」の二つです。なぜなら、デザインは、使いにくいとか、分かりにくいと言った(初期段階の)問題解決から、その先の奥深い(一般の人が考えも及ばないような)問題解決を考えなければならないからです。
言い換えれば、何をどのように考えて、解決に導き、どのように具現化しようとしているのかカタチとして示す必要があるからです。この「カタチとして」と言うのは、ハードであろうがソフトであろうが、言葉ではなく、「カタチとして見せることができる能力」のことを指します。

デザイン系の人が、様々な本を紹介するとか、海外の情報をいろいろ紹介するサイトを見ることも重要ですが、最も重要なのは、自分自身の変え方を示し、且つ、具現化して見せる能力を身につけることなのです。

本の内容をわかりやすく示す能力や海外の情報を分かりやすく示す能力は素晴らしいのですが、ここで言うデザイン能力とは、別次元のものと考えると良いでしょう。そうすると、デザインを学んでいる人は、今やるべきことが見えてくると思います。真の意味としてのオリジナリティーとは何かを知ることが重要なのです。決して他人が書いた本を読んでまとめる能力でもなく、海外の情報を分かりやすくまとめる能力でもないのです。それらは、デザイン能力と別のものです。

勘違いしてはなりませんからあえて言うと、昔のようにデッサン能力が無ければダメだとか言っているのはありません。自分が考えているモノを正確に示す能力が重要だということなのです(その前に問題解決能力が必要なのは言うまでもありません)。もし、プロダクツで正確なパースを描けなければ相手に伝わらないなら、パースの描き方をマスターすればよいのです。言葉で言っても分からないなら、概念として分かりやすい図を描ける能力を身につければ良いだけです。

慶應大学の理工学部機械学科で10年間レンダリングやポンチ絵の描き方を教えた経験から言うとパースをマスターすることは実に簡単なことなのです。難しいのは、その先で、自分が考える問題解決のカタチを生み出すことなのです。そして、その前に問題解決する発想力を獲得することなのです。

デザインを専門に学ぶとは、そういうことなのですよ。