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研究の視点はズームレンズのごとく

ノーベル賞受賞者が伝えているように基礎学問はとても重要です。専門性を重視するのは、先の話でなければならないはずです。基礎医学を蔑ろにした先に何があるかは、一目瞭然ですから。

デザインも同じです。専門が細分化すると二極化します。一つは、狭い領域に入って深く潜って行く視点とデザインとは言えない他分野にあたかも新しいデザインがあるような視点です。

この視点の良し悪しを議論しても無意味です。なぜなら良し悪しの判断は既存のデザインイン分野との距離に意味があるのではなく、世のため人のためのデザインかどうかだからです。

この視点は、正にズームレンズのようです。昔なら人間の画角に近いのは50mmしかありませんでしたから50mmで撮らせて評価したものです。つまり、見慣れた世界だからごまかしは利かないのです。写真の上手さは人間目の画角で勝負してみろ!だったのです。28mmのように見慣れていない画角だと下手でも素敵に見えてしまうからです。

研究もマクロからミクロまで自在に見ることができたらどうでしょう。どの画角が正しいということを議論する必要はありません。どの画角が最も自分にピッタリくるかの方が重要だからです。人が集まれば全ての画角は網羅されますから。先ずは、自分がピッタリきた視点で突き詰めるのです。他人が、この画角で撮った方がいいよ、という意見を受け入れるのは、そのあとで良いのです。勿論、ピンボケを指摘されたら耳を傾けなければなりませんよ。

ヘリコイドの滑らかさは、研究の柔軟性です。時々ヘリコイドが滑らかかどうかを確認するが如く、研究の視点をミクロからマクロまで行ったり来たりしてください。そうする、他国にあるものを紹介しているにすぎないとか、比較しているだけだとか、他分野に持ち込んで新しいことのように言っているにすぎないとか、やってみなくても分かっているじゃないか、そんな基本的なことも見えてきます。